2-3. 万有引力と遠心力の合力を求める
それでは、万有引力と海水を動かす遠心力の合力を、8地点で求めてみましょう。
合力は図7のようになりました。
この、万有引力と遠心力の合力が潮汐現象を引き起こします。
図7. 万有引力と遠心力の合力
月に面した側と、その反対側では外向きの力がかかっています。
一方、それに直交する地点には、内向きの力がかかっていることがわかります。
これによって、海水は図8のような形状になります。
図8. 海水の潮汐現象
月に面した側とその反対側の、海水が盛り上がったところが満潮です。
それに直交する、海水が押し下げられた部分が干潮になります。
地球は1日に1回転しているので、1日に2回の満潮・干潮があることになります。
新月と満月の日には、満潮と干潮での海水面の高低差が大きくなる「大潮」が起こります。
この日は、地球と月を結ぶ直線上に、太陽が並びます。
そのため、月による潮汐現象と、太陽による潮汐現象が強め合うことになります。
太陽が地球に及ぼす影響は、月が及ぼす影響の半分以下です。
普段は太陽からの影響を感じにくいですが、大潮の日にはそれが顕著に現れます。
3. まとめ
潮汐力は、重力の影響下にある物体であれば必ず受ける力です。
地球と月は連星系で、互いに重力の影響を及ぼし合っています。
月の方が質量が小さく重力も小さいため、地球が月から受ける潮汐力より、月が地球から受ける潮汐力の方が大きいです。
地球は液体の海に覆われた天体で、公転運動をしていることから潮の満ち引きが生じます。
この現象は、月や太陽の重力の影響に、地球の回転による遠心力が加わって起こるものです。