惑星同士が作る角度のことを、アスペクトといいます。
この記事では、ホロスコープを読み解く上で重要な、特定のアスペクトについて紹介します。
影響の強いメジャーアスペクトと、補助的なマイナーアスペクトが存在します。
アスペクトの解釈の仕方と、ノーアスペクト(他の惑星からのアスペクトが無い惑星)についても説明します。
目次
1. アスペクトとは何か
ホロスコープ上の惑星から、地球(ホロスコープの中心)に向けて線を下ろします。
ある惑星から下ろした線と、他の惑星から下ろした線との間の角度のことを、アスペクト(座相)といいます。
アスペクトには、ホロスコープを読み解く上で重要視される、いくつかの特定の角度が存在します。
強い影響を及ぼすメジャーアスペクトと、補助的に解釈されるマイナーアスペクトがあります。
また、個々のアスペクトは、ハードアスペクト(凶座相)とソフトアスペクト(吉座相)に分類されます。
アスペクトは正確な角度であるほど強い力を持っています。
しかし、角度に少しのずれがあっても、アスペクトが成立しているとみなします。
この、許容される角度の幅のことをオーブ(許容度)といいます。
1-1. メジャーアスペクト(主要なアスペクト)
第1種座相とも呼ばれ、強い影響を及ぼすアスペクトです。
メジャーアスペクトは本来、星座(サイン)の分類が最低1つは一致していることを示しています。
例えば、サインがおひつじ座としし座なら、同じ男性宮で火の宮である、といった具合です。
この2つのサインにそれぞれ惑星が入り、その惑星同士の角度がオーブの範囲に入っているならば、2つの惑星はメジャーアスペクトを形成しています。
サインの分類についての説明はこちら。
以下に示す5つのメジャーアスペクト(0°,180°,120°,90°,60°)は、紀元2世紀頃、エジプトのアレクサンドリアで活躍した天文学者クラウディオス・プトレマイオスによって定められました。
(全天88星座のうち、トレミー星座と呼ばれる48星座を制定した人物です。)
オーブの取り方は占星術師によって異なりますが、だいたい±4~8°くらいに収まっています。
マイナーアスペクトに比べて、オーブの幅が広く許容されています。
メジャーアスペクトの一覧
◆コンジャンクション(0°) 記号:
「合(ごう)」ともいいます。
2つの惑星が黄道上で同じ方向にあることを示します。
当然、2つの惑星は同じサインに入ります。
(※オーブの関係で、サインが異なるコンジャンクションが稀に存在します。)
ハードアスペクトにもソフトアスペクトにも変化し、2つの惑星のもつ意味を強調し合う関係です。
◆オポジション(180°) 記号:
「衝(しょう)」ともいいます。
2つの惑星が黄道上で正反対の方向にあることを示します。
サインの分類のうち、3要素(活動宮、不動宮、柔軟宮)と2区分(男性宮、女性宮)が一致します。
ハードアスペクトであり、2つの惑星のもつ意味が拮抗し、緊張関係となります。
※補足事項
合と衝については、天文観測でも用いられている用語です。
天文観測の場合は、太陽を基準として、その惑星が「合(太陽と同じ方向に見える)」、「衝(太陽と反対の方向に見える)」ということを示します。
詳しい図はこちら。
占星術では、これより広い意味で捉えて、ある惑星を基準としたとき、基準の惑星に対して他の惑星が同じ方向に見えるのか、反対の方向に見えるのか、を示しています。
◆トライン(120°) 記号:
2つの惑星が黄道上で120°離れていることを示します。
サインの分類のうち、4元素(火の宮、地の宮、風の宮、水の宮)と2区分(男性宮、女性宮)が一致します。
ソフトアスペクトであり、惑星同士が調和し、幸運を呼びやすい関係です。
◆スクエア(90°) 記号:
2つの惑星が黄道上で90°離れていることを示します。
サインの分類のうち、3要素(活動宮、不動宮、柔軟宮)が一致します。
ハードアスペクトであり、克服すべき障害を示し、努力が求められる関係です。
◆セクスタイル(60°) 記号:
2つの惑星が黄道上で60°離れていることを示します。
サインの分類のうち、2区分(男性宮、女性宮)が一致します。
ソフトアスペクトであり、惑星同士が協調し、物事が円滑に運びやすい関係です。
1-2. マイナーアスペクト(副次的なアスペクト)
第2種座相とも呼ばれ、メジャーアスペクトに対して補助的な意味を与えるアスペクトです。
サインの分類とは関係が無く、360°を整数で割った角度であったり、特筆すべき角度であったりします。
以下に示す6つのマイナーアスペクト(155°,144°,135°,72°,45°,30°)は、ケプラーの法則で有名な、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーによって定められました。
メジャーアスペクトと比較して、オーブの取り方は厳しくなっています。
こちらも占星術師によって異なりますが、だいたい±1~4°くらいの幅が許容されています。
マイナーアスペクトの一覧
◆インコンジャンクト、あるいはクインカンクス(150°) 記号:
2つの惑星が黄道上で150°離れていることを示します。
ハードアスペクトであり、緊張を意味します。
コンジャンクション(結合)に対して、インコンジャンクト(非結合)は対極の立場にあります。
何が非結合なのかというと、メジャーアスペクトで重視されたサインの分類が、インコンジャンクトでは1つも一致しないことを指しています。
サインの分類の不一致は、他のマイナーアスペクトにもあるのですが、インコンジャンクトほどは影響が強くありません。
共通点の無い2者の関係なのでハードアスペクトなのですが、その2者が敢えて手を組もうとしています。
結婚相手との相性を占う場合では、結構良好なアスペクトとなっています。
◆バイクインタイル(144°) 記号:
クインタイル(72°)の2倍の角度です。
2つの惑星が黄道上で144°離れていることを示します。
ソフトアスペクトであり、調和を意味します。
◆セスキコードレート(135°) 記号:
スクエア(90°)+セミスクエア(45°)の角度です。
2つの惑星が黄道上で135°離れていることを示します。
ハードアスペクトであり、困難を意味します。
◆クインタイル(72°) 記号:
360°を5で割った角度です。
2つの惑星が黄道上で72°離れていることを示します。
ソフトアスペクトであり、調和を意味します。
◆セミスクエア(45°) 記号:
360°を8で割った角度です。
2つの惑星が黄道上で45°離れていることを示します。
ハードアスペクトであり、困難を意味します。
◆セミセクスタイル(30°) 記号:
360°を12で割った角度です。
2つの惑星が黄道上で30°離れていることを示します。
ソフトアスペクトであり、調和を意味します。
上記以外に、約51.4°(360°を7で割った角度)を、マイナーアスペクトに加えることもあります。
セプタイルと呼ばれ、ハードアスペクトに分類されます。
2. アスペクトをどう読み解くか
2-1. ハードアスペクトとソフトアスペクトの解釈
日本語では凶座相・吉座相というので、無条件に悪い・良いと思ってしまいがちですが、そうではありません。
英語でいう「hard」「soft」(「difficult」「easy」とする場合もある)の方が、アスペクトの意味合いを正確に伝えています。
ハードアスペクトは、上記の一覧では「緊張」「困難」「障害」といったキーワードで示されています。
これらは、物事にチャレンジする機会を与えたり、課題を克服させて変化をもたらしたりするものです。
大きなパワーが必要ですが、人生に刺激を与え、成長を促してくれます。
ソフトアスペクトは、上記の一覧では「調和」「協調」「幸運」といったキーワードで示されています。
こちらは、安定した状況が保たれることを示しています。
恵まれた状況ですが、一方で退屈を感じることにもなります。
ハードアスペクト・ソフトアスペクトにこだわるよりも、どの惑星同士が結び付いているかを考え、その人の強みとして見ていく解釈の方が良いと思います。
2-2. ノーアスペクト
惑星が、ホロスコープ上で他のどの惑星ともメジャーアスペクト・マイナーアスペクトを持たない場合を指します。
(※メジャーアスペクトのみ考える場合もあります。)
ノーアスペクトの惑星は他の惑星から影響を受けず、孤立したような状態です。
ノーアスペクトの惑星は、その性質を正しい方向に発揮できにくいとされています。
他の惑星からのアスペクトは、惑星の意味に方向性を与えます。
ノーアスペクトの場合は、他の惑星からの影響が無いため、目的が定まらず、その性質を伸ばしにくいのです。
ただし、マイナーアスペクトまで含めると、なかなかノーアスペクトになることは少ないです。
確率としてはレアで、個性的なホロスコープと言えます。
3. まとめ
惑星同士が形成するアスペクトについて紹介しました。
メジャーアスペクトが主で、マイナーアスペクトは補助的な意味合いで解釈します。
ハードアスペクト・ソフトアスペクトについては、単純に凶か吉か、という解釈ではないことを説明しました。
惑星同士の組み合わせについては、次回の記事で紹介したいと思います。