インド占星術⑥ ~惑星のコンビネーション~

コンビネーションとは、惑星とサイン、ハウスが結びついて、お互いに影響を及ぼすことをいいます。

影響の強さの順に、星座交換>コンジャンクション>アスペクト>在住があります。

目次

1. 星座交換(ミーチュアル・レセプション)

2. コンジャンクション

3. アスペクト

  3-1. 7惑星のアスペクト

  3-2. 特別アスペクト

    3-2-1. 火星の特別アスペクト

    3-2-2. 木星の特別アスペクト 

    3-2-3. 土星の特別アスペクト

4. 在住

5. まとめ

1. 星座交換(ミーチュアル・レセプション)

2つの惑星が、お互いの支配するサインに在住する状態のことを、星座交換(ミーチュアル・レセプション)と呼びます。

2つのサインが、お互いの支配星(ルーラー)を交換している状態です。

惑星にとって、自分が支配するサインにいるような安定した状態であり、惑星の強さが底上げされます。

また、その惑星が在住するハウスも強くなります。

 

たとえば図1では、金星支配のおうし座のサインに木星が在住し、木星支配のうお座のサインに金星が在住しています。

このとき、金星と木星は星座交換しています。

図1. 星座交換の例

サインの支配星については以下の記事を参照ください。

インド占星術② ~南インド式のホロスコープ~

2. コンジャンクション

西洋占星術では、2つの惑星の形成する角度が0°であること(2つの惑星が黄道上の同じ方向にあること)を示す言葉ですが、インド占星術ではハウス単位で判断します。

インド占星術におけるコンジャンクションは、2つ以上の惑星が、同じハウスに在住することを指します。

惑星間の度数が狭いほど、影響が強くなります。

3. アスペクト

西洋占星術では、惑星同士の形成する角度をアスペクトと呼び、影響を及ぼす特定の角度がいくつも存在します。

しかし、インド占星術におけるアスペクトの意味は、それとは異なります。

アスペクトとは、「ある惑星が、自分の在住するハウス以外のハウスと、そのハウスに在住する他の惑星に影響を与えること」です。

アスペクトするハウスに在住する惑星が無かった場合でも、そのハウスに対して影響を行使できる点が、西洋占星術との大きな違いです。

3-1. 7惑星のアスペクト

ラーフとケートゥを除く、7つの惑星(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星)は、180°反対のハウスと、そのハウスに在住する惑星にアスペクトします。

図2のように、180°反対のハウスにそれぞれ惑星が在住する場合、2つの惑星は相互にアスペクトし合っています。

図2. 180°反対のハウスへのアスペクトの例

3-2. 特別アスペクト

上記の、180°反対のハウスへのアスペクトの他に、火星・木星・土星には特別なアスペクトが存在します。

特別アスペクトは、火星・木星・土星から他の惑星に対して、一方的に影響を与えます

3-2-1. 火星の特別アスペクト

火星は、自身が在住するハウスから、時計回りに4,8番目のハウスに一方的にアスペクトします。

図3. 火星の特別アスペクトの例

3-2-2. 木星の特別アスペクト

木星は、自身が在住するハウスから、時計回りに5,9番目のハウスに一方的にアスペクトします。

図4. 木星の特別アスペクトの例

3-2-3. 土星の特別アスペクト

土星は、自身が在住するハウスから、時計回りに3,10番目のハウスに一方的にアスペクトします。

図5. 土星の特別アスペクトの例

4. 在住

在住のコンビネーションとは、惑星が支配するハウスと在住するハウスが結び付くことです。

図6の場合、第5ハウスに在住している火星が、第3ハウスと第8ハウスを支配しています。

このとき、第3,5,8ハウスが結び付きます。

在住による影響は、コンビネーションとしては最も弱く、コンジャンクションの半分程度の強さだといわれています。

図6. 在住の例

5. まとめ

惑星とサイン、ハウスが結び付くコンビネーションについて見てきました。

ハウス単位で判断を行うことと、惑星同士だけでなくハウスにも影響が及ぶことが、インド占星術の特徴です。

惑星の度数を見る西洋占星術よりも、コンビネーションの判断はわかりやすいと思います。