まずはじめに、黄道12宮について見ていきましょう。
おなじみの12星座により天球(地球を中心とした球。天動説では、この球上を惑星や星座が運行する。)を分類したものですが、実際の星座の位置とは異なります。
言うなれば、天球に定められた住所のようなものです。
占星術の基本となる知識ですので、間違いのないようにしましょう。
目次
1. 黄道12宮(サイン)とは?
まず、黄道について説明します。
黄道とは、天球上の太陽の通り道を表したものです。
黄道は、地球の赤道に対して約23.4°傾いています。(地球の地軸の傾きによるものです。)
この黄道上に広がる星座が、星占いでおなじみの12星座です。
黄道と、天の赤道(地球の赤道を天球に投影したもの)は2点で交差します。
この2点を春分点、秋分点といいます。
黄道12宮とは、春分点を0°とし、黄道を30°ずつ12ブロックに分割したものです。
それぞれのブロックを「サイン」と呼び、12星座を1つずつ割り当てます。
黄道12宮は、紀元前2000年頃の古代バビロニアで、すでに使われていました。
バビロニアでは、1年の始まりを「おひつじ座が春分点に入った日」としました。
サインの分割のとき春分点が始点となるのも、おひつじ座が星占いで最初にくるのも、バビロニアから受け継がれた伝統です。
ただし、春分点は毎年少しずつ動いています。
これは、地球の歳差運動(自転する地球が、コマの首振りのように運動する。)によります。
バビロニア時代におひつじ座にあった春分点は、西暦100年頃にうお座に移動しました。
21世紀初めには、うお座からみずがめ座へ移行しつつあります。
歳差運動についての説明はこちら。
2. 各サインの意味するもの
それでは黄道12宮の、各サインが意味するところを見ていきましょう。
表1に、各サインの名称と分類を示します。
(正式名称を記載していますが、難しいのでおひつじ座・おうし座…と星座名で呼んでも大丈夫です。)
表1. 黄道12宮の名称と分類
星座 | 宮
(サイン) |
シンボル
マーク |
分類 | ||
2区分 | 3要素 | 4元素 | |||
おひつじ座 | 白羊宮 | ♈ | 陽 | 活動 | 火 |
おうし座 | 金牛宮 | ♉ | 陰 | 不動 | 地 |
ふたご座 | 双児宮 | ♊ | 陽 | 柔軟 | 風 |
かに座 | 巨蟹宮 | ♋ | 陰 | 活動 | 水 |
しし座 | 獅子宮 | ♌ | 陽 | 不動 | 火 |
おとめ座 | 処女宮 | ♍ | 陰 | 柔軟 | 地 |
てんびん座 | 天秤宮 | ♎ | 陽 | 活動 | 風 |
さそり座 | 天蠍宮 | ♏ | 陰 | 不動 | 水 |
いて座 | 人馬宮 | ♐ | 陽 | 柔軟 | 火 |
やぎ座 | 磨羯宮 | ♑ | 陰 | 活動 | 地 |
みずがめ座 | 宝瓶宮 | ♒ | 陽 | 不動 | 風 |
うお座 | 双魚宮 | ♓ | 陰 | 柔軟 | 水 |
2区分(性別による分類)
・陽(男性宮):積極的、能動的、外向的など。
・陰(女性宮):消極的、受動的、内向的など。
3要素(行動性による分類)
・活動宮:活動的、野心的、決断力、自己顕示欲など。
・不動宮:忍耐強さ、慎重さ、集中力、頑固など。
・柔軟宮:融通性、情緒的、適応力、奉仕精神など。
4元素(気質による分類)
・火の宮:野心的、理想が高い、自尊心や正義感が強いなど。
・地の宮:現実的、実利的、堅実、努力家など。
・風の宮:知的、理性的、クール、執着心が少ないなど。
・水の宮:情緒的、直感的、霊感、内気だが感情が激しいなど。
3. 各サインの支配星(ルーラー)
つづいて、各サインの支配星について見ていきます。
古代占星術と現代の西洋占星術では、支配星の異なっているサインがあります。
西洋占星術では、後から発見された天王星・海王星・冥王星を支配星に加えたためです。
異なる支配星をもつサインにおいては、西洋占星術の支配星を「主星」、古代占星術の支配星を「副星」として扱います。
(※インド占星術の場合は、支配星は古代占星術と同じです。)
表2. 各サインの支配星の一覧
宮
(サイン) |
支配星 | |
西洋占星術 | 古代占星術
(インド占星術) |
|
おひつじ座 | 火星 | 火星 |
おうし座 | 金星 | 金星 |
ふたご座 | 水星 | 水星 |
かに座 | 月 | 月 |
しし座 | 太陽 | 太陽 |
おとめ座 | 水星 | 水星 |
てんびん座 | 金星 | 金星 |
さそり座 | 冥王星 | 火星 |
いて座 | 木星 | 木星 |
やぎ座 | 土星 | 土星 |
みずがめ座 | 天王星 | 土星 |
うお座 | 海王星 | 木星 |
4. まとめ
黄道12宮について、天球上の住所のような意味合いをもつ、重要な概念だということを説明しました。
このあたりの基礎知識は、西洋占星術でもインド占星術でも共通するので、しっかり覚えておくと便利です。