インド占星術のホロスコープには、北インド式、東インド式、南インド式などがあります。
このサイトでは、その中でもわかりやすい、南インド式のホロスコープを取り扱います。
まずは、サイン(黄道12宮)とハウス(天球12室)の配置について見ていきます。
目次
1. 南インド式ホロスコープの基本構造
1-1. サインの配置
西洋占星術のホロスコープでは、アセンダント(ASC)を左側に置き、ハウスを反時計回りに配置します。
これに対して、南インド式のホロスコープでは、アセンダントの位置を特定せずに、サインを固定するという特徴があります。
図1に、南インド式ホロスコープのサインの配置を示します。
12個の四角形が並んだホロスコープの、左上に魚座を配置し、時計回りにサインを並べていきます。
図1. 南インド式 サインの配置
1-2. サインの支配星(ルーラー)
サインの支配星は図2のようになります。
サインの位置が固定されているので、支配星の位置もおのずと固定されます。
太陽と月はそれぞれ1つのサインを支配し、水星・金星・火星・木星・土星はそれぞれ2つのサインを支配します。
また、ラーフとケートゥは、サインを支配しません。
図2. 南インド式 支配星の配置
2. 支配星の吉凶と意味
インド占星術における9つの惑星には、吉凶やそれぞれが持つ意味があります。
表1に詳しく示します。
表1. インド占星術の惑星の一覧
惑星 | 惑星記号 | 吉凶 | 惑星の意味 |
太陽 | ☉ | 弱い凶星 | 社会性、地位、プライド、生命力など |
月 | ☽ | 条件次第 | 心の安定、大衆性、記憶力の良さなど |
水星 | ☿ | 弱い吉星 | 知性、コミュニケーション能力、分析力など |
金星 | ♀ | 強い吉星 | 恋愛、結婚、セックス、芸術など |
火星 | ♂ | 強い凶星 | 行動力、集中力、攻撃性など |
木星 | ♃ | 強い吉星 | 宗教性、思想性、幸運、発展など |
土星 | ♄ | 強い凶星 | 庶民性、持続性、遅延、改革など |
ラーフ | 凶星 | 現世の欲望、既存の秩序からの離脱など | |
ケートゥ | 凶星 | 禁欲、深い精神性など |
3. ハウスの決め方
次に、ハウスの決め方を見てみましょう。
アセンダントを基準として、第1~12のハウスを並べていきます。
インド占星術では、サインがそのままハウスとして機能します。
従って、サインを配置した図1の12の四角形に対して、それぞれハウスを1つずつ当て嵌めていけば良いわけです。
例えば、おとめ座にアセンダントがある人の場合を見てみます。
図3のように、アセンダントのあるおとめ座を第1ハウスとして、時計回りにハウスを当て嵌めます。
第1ハウスは東、第4ハウスは北、第7ハウスは西、第10ハウスは南を示します。
図3. ハウスの配置
アセンダントの位置が変われば、それに従ってハウスの配置が変わります。
また、アセンダントを基準とする以外に、太陽や月のいるサインを第1ハウスとする方法があります。
ハウスの起点のことを「ラグナ」と呼びます。
アセンダントを基準とする場合、アセンダントがあるサインがラグナとなります。
図3の場合では、おとめ座がラグナです。
4. まとめ
インド占星術のホロスコープの1つである、南インド式ホロスコープの基本構造について説明しました。
南インド式のホロスコープは、サインの位置が固定であること、時計回りにサインとハウスを配置することが最大の特徴です。