インド占星術④ ~ハウスの分類~

インド占星術特有のハウスシステムは、ホロスコープを読み解く上でとても重要なものです。

ハウスの分類により、惑星の吉凶や、その影響の強さが変わってきます。

ホロスコープの良し悪しを見る際に、最も重要な判断基準といえます。

目次

1. ハウスの分類一覧

  1-1. トリコーナ・ハウス

  1-2. ケンドラ・ハウス

  1-3. ウパチャヤ・ハウス

  1-4. ドゥシュタナ・ハウス

  1-5. マラカ・ハウス

  1-6. 中立ハウス

2. まとめ

1. ハウスの分類一覧

1-1. トリコーナ・ハウス:第1,5,9ハウス

幸運をもたらすハウスです。

それぞれのハウスには強弱があり、その強さの順は、第9ハウス>第5ハウス>第1ハウスです。

 

トリコーナ・ハウスを「支配」する、あるいは「在住」する惑星は、良い働きをします。

たとえ凶星であっても、トリコーナ・ハウスを「支配」すれば吉星のように振る舞います。

このような惑星のことを、機能的吉星と呼びます。

1-2. ケンドラ・ハウス:第1,4,7,10ハウス

西洋占星術のアンギュラー・ハウスに相当します。

強さの順は、第10ハウス>第7ハウス>第4ハウス>第1ハウスです。

ケンドラ・ハウスに「在住」する惑星は、その吉凶に関わらず影響力が増します。

一方、ケンドラ・ハウスを「支配」する惑星は、吉星であれば吉意が弱まり、凶星であれば凶意が弱まり、影響が中立化します。

1-3. ウパチャヤ・ハウス:第3,6,10,11ハウス

ウパチャヤ・ハウスに「在住」する惑星は、困難をもたらし、努力による改善を促します。

一方、ウパチャヤ・ハウスを「支配」する惑星は、ケンドラ・ハウスを兼ねる第10ハウスを除いて、強い凶意を示します。

凶意の強さの順は、第11ハウス>第6ハウス>第3ハウスです。

たとえ吉星であっても、第3,6,11ハウスを支配すれば凶星のように振る舞います。

このような惑星のことを、機能的凶星と呼びます。

1-4. ドゥシュタナ・ハウス:第6,8,12ハウス

ドゥシュタナ・ハウスに「在住」する惑星は、負の影響を与えます。

影響の強さの順は、第8ハウス>第12ハウス>第6ハウスです。

ドゥシュタナ・ハウスのうち、第6ハウスを「支配」する惑星は凶星化します。

たとえ吉星であっても、機能的凶星となります。

第8,12ハウスは中立ハウスを兼ねており、「支配」することによる惑星の変化はありません。

1-5. マラカ・ハウス:第2,7ハウス

寿命に関連し、健康状態を示すハウスです。

強さの順は、第2ハウス>第7ハウスです。

第3,6,8,11,12ハウスを「支配」する土星が、マラカ・ハウスの支配星(ルーラー)と関連した場合、その土星は特に重要なマラカとなるとされます。

 

一方、マラカ・ハウスを「支配」していても、マラカとならない惑星があります。

ケンドラ・ハウス(第1,4,7,10ハウス)を2つ支配している水星と木星、トリコーナ・ハウス(第1,5,9ハウス)を支配している機能的吉星はマラカとはなりません。

また、古典的には太陽と月をマラカと見なしませんでしたが、現在ではマラカと見る占星術師もいます。

1-6. 中立ハウス:第2,8,12ハウス

中立ハウスに惑星が「在住」しても、その吉凶や強弱に変化はありません。

中立ハウスを「支配」する惑星は、太陽と月を除いて、同時に支配するもう1つのハウスが存在します。

この、もう1つのハウスの影響により、惑星の意味合いが左右されます。

2. まとめ

インド占星術のホロスコープを読むために重要な、6つのハウスの分類について紹介しました。

同じハウスの分類の中でも、ハウスごとに影響の強さに違いがあったり、惑星が「在住」か「支配」かによって判断が違ったりします。

細かく見ていくのは大変ですが、ホロスコープの良し悪しを知るためには、不可欠な概念です。