インド占星術特有のハウスシステムは、ホロスコープを読み解く上でとても重要なものです。
ハウスの分類により、惑星の吉凶や、その影響の強さが変わってきます。
ホロスコープの良し悪しを見る際に、最も重要な判断基準といえます。
目次
1. ハウスの分類一覧
1-1. トリコーナ・ハウス:第1,5,9ハウス
幸運をもたらすハウスです。
それぞれのハウスには強弱があり、その強さの順は、第9ハウス>第5ハウス>第1ハウスです。
トリコーナ・ハウスを「支配」する、あるいは「在住」する惑星は、良い働きをします。
たとえ凶星であっても、トリコーナ・ハウスを「支配」すれば吉星のように振る舞います。
このような惑星のことを、機能的吉星と呼びます。
1-2. ケンドラ・ハウス:第1,4,7,10ハウス
西洋占星術のアンギュラー・ハウスに相当します。
強さの順は、第10ハウス>第7ハウス>第4ハウス>第1ハウスです。
ケンドラ・ハウスに「在住」する惑星は、その吉凶に関わらず影響力が増します。
一方、ケンドラ・ハウスを「支配」する惑星は、吉星であれば吉意が弱まり、凶星であれば凶意が弱まり、影響が中立化します。
1-3. ウパチャヤ・ハウス:第3,6,10,11ハウス
ウパチャヤ・ハウスに「在住」する惑星は、困難をもたらし、努力による改善を促します。
一方、ウパチャヤ・ハウスを「支配」する惑星は、ケンドラ・ハウスを兼ねる第10ハウスを除いて、強い凶意を示します。
凶意の強さの順は、第11ハウス>第6ハウス>第3ハウスです。
たとえ吉星であっても、第3,6,11ハウスを支配すれば凶星のように振る舞います。
このような惑星のことを、機能的凶星と呼びます。
1-4. ドゥシュタナ・ハウス:第6,8,12ハウス
ドゥシュタナ・ハウスに「在住」する惑星は、負の影響を与えます。
影響の強さの順は、第8ハウス>第12ハウス>第6ハウスです。
ドゥシュタナ・ハウスのうち、第6ハウスを「支配」する惑星は凶星化します。
たとえ吉星であっても、機能的凶星となります。
第8,12ハウスは中立ハウスを兼ねており、「支配」することによる惑星の変化はありません。
1-5. マラカ・ハウス:第2,7ハウス
寿命に関連し、健康状態を示すハウスです。
強さの順は、第2ハウス>第7ハウスです。
第3,6,8,11,12ハウスを「支配」する土星が、マラカ・ハウスの支配星(ルーラー)と関連した場合、その土星は特に重要なマラカとなるとされます。
一方、マラカ・ハウスを「支配」していても、マラカとならない惑星があります。
ケンドラ・ハウス(第1,4,7,10ハウス)を2つ支配している水星と木星、トリコーナ・ハウス(第1,5,9ハウス)を支配している機能的吉星はマラカとはなりません。
また、古典的には太陽と月をマラカと見なしませんでしたが、現在ではマラカと見る占星術師もいます。
1-6. 中立ハウス:第2,8,12ハウス
中立ハウスに惑星が「在住」しても、その吉凶や強弱に変化はありません。
中立ハウスを「支配」する惑星は、太陽と月を除いて、同時に支配するもう1つのハウスが存在します。
この、もう1つのハウスの影響により、惑星の意味合いが左右されます。
2. まとめ
インド占星術のホロスコープを読むために重要な、6つのハウスの分類について紹介しました。
同じハウスの分類の中でも、ハウスごとに影響の強さに違いがあったり、惑星が「在住」か「支配」かによって判断が違ったりします。
細かく見ていくのは大変ですが、ホロスコープの良し悪しを知るためには、不可欠な概念です。