この記事では、ホロスコープ(天体の配置図)を読み解くための基礎知識を説明します。
その人が生まれた時間のホロスコープのことを、「ネイタル・チャート」といいます。
ホロスコープは円形をしており、12のハウスと、ASC、DES、MC、ICと呼ばれる点があります。
目次
1. 天球12室(ハウス)とは?
天球12室とは、ある地点に観測者が立ち、太陽が昇ってくる点を起点として、天球を12の部屋(ハウス)に分割したものです。
黄道12宮が天球に与えられた住所であるのに対し、天球12室は、惑星の位置を地面に投影するための区画のようなものです。
太陽が昇ってくる点をASC(アセンダント)と呼びます。
ここで、図1を見てください。
ASCを第1ハウスの始まりとして、ホロスコープの左側から反時計回りに12のハウスを配置します。
ASCの反対側、ホロスコープの右側の点をDES(ディセンダント)と呼びます。
DESは太陽が沈む点です。
ホロスコープの頂上の点はMC(南中点)といい、方角は真南で、太陽が最も高い位置になる点です。
MCの反対側にはIC(北中点)があり、これは観測者の足元、地面に隠れた位置となります。
図1. ホロスコープ
西洋占星術では、黄道12宮(サイン)と天球12室(ハウス)は一致しません。
そのため1つのハウスに、2つないし3つのサインが掛かることがあります。
このとき、そのハウスを支配するサインはどう見極めるでしょうか?
図2. サインとハウスが一致しない例
たとえば図2の場合、第1ハウスにはおとめ座とてんびん座が掛かっています。
サインの支配は、ハウスの始まりとなる境界線(カスプ)に位置する星座によってなされる決まりがあります。
図2では、第1ハウスの始まりのカスプに位置するのはおとめ座です。
よって、第1ハウスはおとめ座が支配します。
2. 各ハウスの意味
西洋占星術における、各ハウスの意味を説明します。
第1~6ハウスは個人の特性や運勢、第7~12ハウスは他者との関係ととらえることができます。
また、ホロスコープで対角に位置するハウス(たとえば第1ハウスと第7ハウス)は、補完し合う関係にあります。
◆第1ハウス(生命の室)
自分自身を示します。
生まれ持った身体的・環境的な条件を示し、人生における基本的な運命を決定します。
◆第2ハウス(所有の室)
お金に対する姿勢や、経済力を示します。
仕事などを通して、自分で得ることができる価値あるものを意味します。
◆第3ハウス(知識の室)
学習能力や知的興味を示します。
また、近しい人との関係や、近距離の旅行について暗示します。
◆第4ハウス(家庭の室)
人生の基盤となる家庭を表します。
幼少期の保護された家庭環境を示すと同時に、晩年についても示します。
◆第5ハウス(創造の室)
人生における幸福なできごとを表します。
芸術的な活動や、趣味、レクリエーションなどに関わります。
◆第6ハウス(勤務の室)
生活手段としての仕事を示します。
また、健康状態を暗示し、肉体的弱点や病気について表します。
◆第7ハウス(結婚の室)
人生のパートナーを示します。
結婚相手、ビジネスパートナーのほか、契約にもとづく全ての人間関係を表します。
◆第8ハウス(遺産の室)
他者から与えられる財産を示します。
相続、配偶者の経済力のほか、先人から教えられる教訓なども含みます。
◆第9ハウス(研究の室)
精神的な成熟を示します。
高度な学問、信仰について表すほか、遠隔地との交流(海外旅行など)も暗示します。
◆第10ハウス(天職の室)
社会生活の基盤となる地位や専門性を示します。
学識やキャリア、それによって得られる名誉などを表します。
◆第11ハウス(希望の室)
他人との共同福祉を示し、共通の目的によって結ばれる人々を暗示します。
また、人生への願望を表します。
◆第12ハウス(障害の室)
見えない敵を示します。
思わぬときに訪れる危機のほか、自分自身のもつ負の感情(不安や劣等感)も含まれます。
3. まとめ
西洋占星術における、ホロスコープの基本的な見方について説明しました。
インド占星術ではハウスの概念が少し異なりますので、混同しないようにしましょう。
実際のホロスコープでは、ハウスで区切られた円の中に、惑星の位置が記載されます。