インド占星術には、惑星やハウスの特定の結び付きに意味を見出す「ヨーガ」というものがあります。
ヨーガにはたくさんの種類がありますが、この記事では、絶対に知っておくべき基本的なヨーガについて紹介します。
ヨーガにはポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあります。
その人の運勢を知る上で、非常に重要な概念です。
目次
1. ヨーガとは何か
「ヨーガ」はインド占星術に特有のもので、「結び付き」という意味があります。
惑星やハウスの結び付き(コンビネーション)に着目し、特定の意味を導き出すものです。
コンビネーションとは、星座交換・コンジャンクション・アスペクト・在住です。
コンビネーションについての詳細は、以下の記事を参照ください。
また、コンビネーション以外に、根拠は不明ながらも効果を発揮する配置もあります。
2. 基本的なヨーガの一覧
2-1. ポジティブなヨーガ
◆ラージャ・ヨーガ(王者のヨーガ)
トリコーナ・ハウス(第1,5,9ハウス)の支配星と、とケンドラ・ハウス(第1,4,7,10ハウス)の支配星がコンビネーションを組む状態を、「ラージャ・ヨーガ」といいます。
社会的な成功をもたらすヨーガです。
◆ラージャ・ヨーガ・カラカ(単体の惑星でラージャ・ヨーガを形成)
1つの惑星が、トリコーナ・ハウス(第1,5,9ハウス)とケンドラ・ハウス(第1,4,7,10ハウス)を同時に支配することを「ラージャ・ヨーガ・カラカ」といいます。
ラージャ・ヨガと同じ効果があります。
たとえば、第4ハウスと第9ハウスを金星が支配する場合などが該当します。
◆ダーナ・ヨーガ(富のヨーガ)
財運を表す第2,11ハウスの支配星が、幸運を表すトリコーナ・ハウス(第1,5,9ハウス)の支配星とコンビネーションを組む状態を「ダーナ・ヨーガ」といいます。
富をもたらすヨーガです。
◆チャンドラマンガラ・ヨーガ(投機的成功のヨーガ)
月(チャンドラ)と火星(マンガラ)がコンビネーションを組む状態を「チャンドラマンガラ・ヨーガ」といいます。
財産をもたらすヨーガですが、木星からのアスペクトが無い場合、手段を選ばない強引さが出るといわれます。
◆ガージャケサリ・ヨーガ(学者のヨーガ)
月と木星がケンドラの位置関係にある状態を、「ガージャケサリ・ヨーガ」といいます。
片方の惑星が在住するハウスから見て、1,4,7,10番目のハウスにもう片方の惑星が在住していれば成立します。
名声や学識を表すヨーガです。
◆グルマンガラ・ヨーガ(努力のヨーガ)
木星(グル)と火星(マンガラ)がコンビネーションを組む状態を「グルマンガラ・ヨーガ」といいます。
本人の努力によって成功するヨーガであり、言い換えれば、他人を当てにできないことでもあります。
◆スーリアグル・ヨーガ(高貴のヨーガ)
太陽(スーリア)と木星(グル)がコンビネーションを組む状態を「スーリアグル・ヨーガ」といいます。
気高さや威厳をもたらすヨーガです。
2-2. ネガティブなヨーガ
◆アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)
アセンダント、月、第1ハウスの支配星(ラグナロード)、月の在住ハウスの支配星に、ドゥシュタナ・ハウス(第6,8,12ハウス)やマラカ・ハウス(第2,7ハウス)が関わる状態を、「アリシュタ・ヨーガ」といいます。
たとえば、月の在住ハウスの支配星が、第6ハウスに在住している場合などが該当します。
トラブルや危険をもたらすヨーガです。
◆ケマドルマ・ヨーガ(孤独のヨーガ)
月の在住するハウスから見て、両脇のハウスに太陽・ラーフ・ケートゥ以外の惑星が在住していない状態を「ケマドルマ・ヨーガ」といいます。
インド占星術では、自己を表す惑星として、月を最も重視します。
その月が孤立した状態であり、孤独をもたらすヨーガです。
◆パーパカルタリ・ヨーガ(不健康のヨーガ)
第2ハウスと第12ハウスに生来的凶星(太陽・火星・土星・ラーフ・ケートゥ)が在住する状態を、「パーパカルタリ・ヨーガ」といいます。
アセンダントのある第1ハウス(自分自身を示す)が凶星に挟まれることで、第1ハウスの意味が傷つけられます。
健康上の問題をもたらすヨーガです。
2-3. その他のヨーガ
◆サンニヤシ・ヨーガ(出家のヨーガ)
出家者あるいは世捨て人のヨーガといわれ、いくつかの状態があります。
世俗的な社会から離れたり、何らかの道を追求する生き方を好むヨーガです。
サンニヤシ・ヨーガの成立条件を以下に示します。
・1つのハウスに、ラーフ・ケートゥ以外の惑星が4つ以上集中すること。
・月がおひつじ座かさそり座(火星支配のサイン)に在住し、土星と火星の両方からアスペクトを受けること。
・月がやぎ座かみずがめ座(土星支配のサイン)に在住し、土星と火星の両方からアスペクトを受けること。
・第12ハウスにケートゥが在住し、木星もしくは第5,9ハウスの支配星からアスペクトを受けること。
◆カルパドルマ・ヨーガ(ケマドルマ・ヨーガを緩和するヨーガ)
ケマドルマ・ヨーガが成立していても、月の在住するハウスもしくはアセンダントのあるハウスから見て、ケンドラの関係(1,4,7,10番目)にあるハウスに太陽・ラーフ・ケートゥ以外の惑星が在住していれば、孤独が緩和されます。
これを「カルパドルマ・ヨーガ」といいます。
◆ヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガ(逆転のラージャ・ヨーガ)
ある惑星がドゥシュタナ・ハウス(第6,8,12ハウス)を支配し、かつドゥシュタナ・ハウスに在住する場合、「ヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガ」が成立します。
ドゥシュタナ・ハウスの支配と在住という2重の凶意が重なることで、意味の逆転が起こります。
苦難の末に成功をもたらすヨーガです。
3. まとめ
この記事では、インド占星術における基本的なヨーガについて紹介しました。
ヨーガの種類は非常に多く、1000種類以上あるといわれています。
また、占星術師によっても読み方や条件付けが異なり、奥の深いものです。
まずは基本的なヨーガを読むだけでも、様々なことを知ることができます。